推進工法は、管の後端をジャッキで押して、地中に管を敷設する工法です。押す距離が長くなれば、管の周りの抵抗(管と土の摩擦)が増してきます。そのため、管の強度が強いもの(押す力で割れない管)や押す力(ジャッキの力)を強くしなければなりません。それだけでは、当然限界があり、敷設する長さは限られます。その長さ(限界)を超える推進が長距離推進と考えてください。
その限界を補う対策の1つにGIMSYS(ジムシス)工法があります。
ジムシス工法の特徴
GIMSYS(ジムシス)は、管と土の周りに皮膜を作り、摩擦抵抗を低減させる工法です。
まず、ゲル状滑材で推進管と地山の間に皮膜を形成します。このことで地山からの締め付けを抑えます。ゲル状であるため地山への逸走が低減します。次に先の皮膜と推進管の間に液状の滑材を注入します。これで推進の周面摩擦力の低減を図ります。従来の滑材のみの注入では、滑材が地山に浸透し大量の滑材を注入しなければ十分な効果が得られない場合がありました。その欠点を補うため二層に滑材を注入することを考案し、飛躍的に推力の低減が可能となりました。これにより、管の強度や、推力(押す力)を抑えられ、長い距離の推進が可能になりました。
ジムシス注入概念図